(標準溶液)自分で基準を作ること
(この投稿は化学に関することで一般的な内容ではありません)
さていきなり質問ですが「10kg」って思いですか?軽いですか?
「人によるでしょ」って言う人もいますし
「9kgよりは重いけど、11kgよりは軽い」って話になりますよね。
10kgは重いし軽いしという曖昧な表現になってしますわけです。
つまり「基準」が必要と言うことです。
製薬業界における分析も
この「基準となる溶液(標準溶液と呼ぶことが多いです)」を
自分たちで調製して分析をします。
薬の分析と言えば、錠剤を機械にポンと入れたら「OK」「試験合格」なんて
出てくると思われているかもしれませんが、そんな試験ほぼないです(笑)
決まった個数の錠剤をつぶして、分析対象の成分を抽出して
標準溶液とともに機器で分析をして結果を算出するんです。
標準溶液を分析して得られた結果を100とし(100と仮定して)
それに対して、薬から抽出した成分がどのぐらいの濃度なのかを計算するわけです。
私は、この標準溶液を使う方法ってとてもおもしろいと思っています。
何がおもしろいかと言うと、毎回毎回自分たちで、この溶液を調製するんです。
ざっくり作って良いものなら、別にいいんですけど
基準となるような緻密な作業を「自分たちでする」というのが
よくやってるな~と思ってしまうわけです。
「すげーな俺」でなく「口をぽかーんと開けて、ようやるな」と思ってしまいます。
だって、基準がずれたら全部ずれてしまうわけです。
いくら濃度がちゃんとなるような器具を使って調製するとは言っても、手作業なわけです。
自分で調製しておきながら「大丈夫?」と毎回毎回思ってしまいます。