製薬業界の共通ルール「日本薬局方」
以前書いた投稿の中に一緒に書いておくべきでしたが
忘れていたので、ここに書いておこうと思います。
(↓こちらにも後で追加しておきます)
business-thinking.hatenablog.jp
製薬業界には、GMP(ジーエムピー/Good Manufacturing Practice)という
共通のルールみたいなものがあります。と以前の投稿で書きましたが
もうひとつ「日本薬局方」(略して”にっきょく” や ”きょくほう”と呼ばれます)
という共通のルールがあります。
<日本薬局方に書かれていること>
どんなことが書かれているかと言うと
・薬の原料の試験方法や、分析に使う薬品の調製方法
薬の原料は、全て化学的に評価をし、合格しないと使えないので
その試験方法・評価方法が書いてあります。
ちなみに、分析に使うための薬品については、一部を除いて購入した物をそのまま用います。
・言葉の意味
製薬業界で使われる言葉の中には、その言葉の表す意味が、きちんと決まっているものがあります。
いくつか例を書いてみます。
「約1gを秤りなさい」:この場合の「約」っていうのは
その数字の±10%の範囲で秤りなさい。ということです。
こういうのを決めていないと「約」の表す範囲が人によって異なってしまいます。
「直ちに」:これは、前の操作終了から30秒以内に次の操作をすることを意味します。
「〇〇を混ぜた後、直ちにろ過しない」のように使われています。
つまり「混ぜた後、30秒以内にろ過しなさい」ということです
このように、製薬業界で働いている人は(一部の職種は除きます)
「GMPや日本薬局方」という共通のルールと「各会社のルール」という
2つのルールに従って仕事をしているということになります。
↓こんな感じのイメージですね↓
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自動車教習所のテキストブック(全国共通だと仮定します)=日本薬局方
車の取り扱い説明書=各会社の手順書
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ジャガイモ、ニンジン、お肉を出荷するための試験方法=日本薬局方
カレーを出荷するための試験方法=各会社の手順書
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車の説明書には「エンジンのかけ方や、エアコンのボタンの位置」など書かれていますが
「道路標識の意味や、半クラッチのやり方」までは、載っていませんよね。
そういうことが、日本薬局方に書いてあるというイメージです。
私が常々、メモやまとめることが必要というのは
教習所のテキストブックに「半クラッチのやり方」は載っていますが汎用のやり方しか書いていません。
車によって、クラッチの堅さや、どのぐらいクラッチを上げれば半クラッチになるのか等
書かれていないので、自分で作り上げていかないといけないわけです。
理想は、各車の説明書に「半クラッチのやり方」まで
落とし込むのが理想ですが、なかなかそこまで出来ていない会社が多いのが
現実だと思います。