(製薬業界内)のボールペンと脱ハンコ?
(私の知ってる範囲での話なので、業界全体の話ではありません)
以前、製薬業界の分析部門では記録というものが重要だというお話をしました。
まず筆記具に関しては、当たり前の話ですが「消えないボールペン」を使います。
消えるタイプの物だと、記録したことが消せてしまうので
「不正、偽造」がやりたい放題になってしまいます。
また、記録さえすればいいというものではなく
それを残さないといけないというルールがあります。
残すというのは、その書類をストックしておくわけではなく
例え記入ミスがあったとしても、新たに記録用紙を発行して書くのではなく
ミスを、一重線/二重線で消し、わかるように訂正をします。
つまり、あちこち訂正だらけで真っ黒い書類が出来上がったとしても
それが正式書類となるわけです。
一般のみなさんは、こういう書類を見かける機会はないでしょうが
もし、見かけたら「あ~嘘なく書いているんだな~」と思ってあげてください。
書類に書くサインや、ハンコは、社内で登録をしないと使うことができません。
例えば「大谷翔平(サイン)」「大谷(サイン)」「ハンコ」の3つを登録したとします。
書類を書く際に、登録したサインを忘れて「翔平」とサインした場合、これは無効になります。
たいてい、試験の内容についての照査は、厳密にされますが
サイン部分の照査は抜けてしまうことが多いです。
なので、どんなサイン登録をしたのかを本人が忘れると
そのまますり抜けてしまう可能性が高いです。
場合によっては、試験のやり直しなんてことにもなりかねないです。
当たり前のようですが、大変でしょ?
それから、未だにハンコを使っているところが多いのではないでしょうか。
基本は、サインで乗り切れるのですが
ハンコを押す欄のある書類や、パソコン上で自分の名前を記載した状態で
印刷した場合、名前の近くにハンコを押すことが必須となります。
製薬業界の難しいところは、人命の近くに存在している職業であることは間違いないのですが、どこまで厳密にできるのか?という問題もあると思います。
防犯カメラをつけても、1人1人の行動まで監視できないですし
従業員1人に対して、1人の監視役をつけることもできません。
(ちなみに、広い意味での製薬業界の仕事で、試験内容によっては監視役がつくこともあります。
既定のチェックリストを持った監視員役の人に1作業ずつ
確認をしながら作業するなんてこともあります。
(いつものようにカレー作りに例えると)
社員:このABC社の包丁を使います。
監視員:OKです
社員:ジャガイモを、4つに切ります。
監視員:OKです
のように作業が進んでいきます。
とにかく、色々知ってい行くと、めんどくさい業界だな~と思うでしょ?
でも、こういうことをしないと人の命は守れないんですよ。
会社全体が嘘をつけば、簡単に不正もできてしまうと思います。
だからこそ、1人1人がまじめに生きていかないとダメなんです。
それが製薬業界で生きるということなんだと思います。